しったかぶり!日本紀行

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24 「さんべ縄文の森ミュージアム」で古代の埋没林にタイムワープ!

 石見一人旅は佳境を迎えつつある。初日が海なら、2日目のメインは山。琴ヶ浜で鳴き砂(鳴り砂?まだわからない)を聴いたあと、山間部へ向け車を走らせ約40分。

割と入念に旅の計画をする(ギリギリの時間割で・・・)くせに、ここは旅の途中から行ってみようと、興味が膨らんだ場所だ。

 

 

 

温泉津の観光掲示板のポスターで、このミュージアムの写真を見て衝撃を受けた。その荘厳で神秘的な雰囲気を、直に目で見ようと思ったのだ。

さんべ縄文の森ミュージアム

さんべ縄文の森ミュージアム(三瓶小豆原埋没林公園(さんべあずきはらまいぼつりんこうえん))は、三瓶山(さんべさん)の北麓に位置する。昭和58(1983)年の土地改良事業の際に埋没林の存在が明らかになった。

埋没林とは、火山噴火や河川氾濫といった天変地象などの自然現象によって地中や水中に埋もれた森林のことをいう。

 

地下鉄駅のような縄文の森発掘保存展示棟の入口に入ると、そこには大昔に起きた噴火の凄まじさと自然が織りなす奇跡を物語る巨大な空間が広がっていた。

さんべ縄文の森ミュージアム

縄文の森発掘保存展示棟

あっという間に別世界へワープしたみたいで、不思議な気分になるが、それも長くは続かない。観る者を圧倒する巨木が、堂々とたたずんでいて、度肝を抜かれる。入り勝手は地表に近いので、我々は太古へ向かって階段を降りていくことになる。

巨木もさることながら、埋没林を埋めた土石流の地層の一部が展示されている。約4000年前の噴火で、古代三瓶山の北側が噴火で崩壊し、大規模な土石流が発生した時のものだという。

縄文の森発掘保存展示棟

さんべ縄文の森ミュージアム 土石流の地層

階段を降りきると、そこは縄文時代の地表だ。地下深く埋もれた木々は、酸素がない環境にあり、缶詰やレトルト食品の原理と近い条件がそろっていたため、ほとんど腐っていなかったという。発掘直後は、生きている木と同じように色や香りが残されていた。

写真は少し明るめに映っているが、実際はもう少し暗くて、ちょっと不気味な雰囲気を醸し出していた。人によっては、怖い、と感じるかもしれない。

さんべ縄文の森ミュージアム 土石流の地層

さんべ縄文の森ミュージアム 圧倒的な景観

立ち木もあるが、倒れている木もある。これらは発掘当時そのままに保存されている。つまり、倒れている木は、噴火の土石流がなぎ倒してここまで運んできたものなのだ。そして、立ち木もまた、土石流や流木の直撃を受けてなお、大地に張った根も頑丈に育った幹も、すさまじい破壊力に耐えた。しかし耐えたものの、そのままこの国の自然史の奥深くにうずもれてしまったのだ。

 

 

 

埋没林の木々の多くは杉の木で、40m以上の高さだったと推定されている。10階建てのビルに相当する高さで、古代のこのあたりの森林は、まさに縄文杉の森で、その他の木々が所々に混じっていたと考えられている。

さんべ縄文の森ミュージアム 神秘の森

さんべ縄文の森ミュージアム 神秘の森

発掘保存展示棟から出て、もう一か所、合体木根株展示棟に入ってみる。こちらも4000年の歳月をさかのぼるにうってつけならせん階段構造でワクワクが止まらない。

ここには、天然の杉林で時々おこるという、「倒木更新」と呼ばれる現象のあった根株が展示されている。

合体木根株展示棟

合体木根株展示棟

どーいうものかというと、倒木の上で若杉が芽生え、そのまま育つ現象で(そういえば、子供の頃、地元の森を探検している時に木の上に生えた木を見たことがあるなぁ)、展示のものは、その後400年にわたり生育したと推定されている。

合体木根株展示棟 内部

年輪の中心が3つある。若木は二股となり根の一部は倒木と融合した。

1983年にみつかった埋没林は開発工事の邪魔になるということで切られてしまったそうだが、地元の学校の先生で、火山研究家の松井整司さんが1990年にその時の写真を偶然見て詳しく調査をした結果、この埋没林の存在を突き止めたという。
すでに故人ではあるが、松井整司さんの功績は限りなく大きい。太古の森の姿をそのまま残す小豆原埋没林の存在は世界的にも貴重で、国の天然記念物に指定されている。

 

 

私たちは何のことはない、地表に張り付いて生きているに過ぎないが、その地表へ至るまでには、我々のうかがい知れない悠久の歴史があり、その大地がもたらす恩恵に行かされているのだ、と気付かされる。

さんべ縄文の森ミュージアム(小豆原埋没林公園)は、そんなおっきな思いを、ちっさな私たちに抱かせてくれる、そんな神秘のミュージアムだった。

(こんな素晴らしい施設にわずか300円で入館できるうえ、私は宿でみつけたクーポンでさらに60円安く、240円で入館したのだっ!!)

 

To be continued... 👇

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旅のメモ📝

🏔 さんべ縄文の森ミュージアム(小豆原埋没林公園) ~メモ~ 🌋
私の所要時間 27分
住所 島根県大田市三瓶町多根ロ58-2
開館時間 9:00~17:00(最終入場16:30)
定休日 火曜(祝日の場合翌平日)
入館料 大人300円・小中高生150円
割引クーポンが近隣の宿や観光施設にあり
駐車場 あり。無料。
アクセス JR山陰本線・大田市駅から車で20分程度
ホームページ

さんべ縄文の森ミュージアム「三瓶小豆原埋没林公園」
| 島根県大田市観光サイト

👑三瓶小豆原埋没林の称号 🔱
日本遺産  #101 石見の火山が伝える悠久の歴史
国指定天然記念物 三瓶小豆原埋没林
日本の地質百選 三瓶埋没林
👛かかったお金 💵
さんべ縄文の森ミュージアム 240円
小計 53,280円