しったかぶり!日本紀行

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27 三瓶観光リフトで絶景トリップ!あと、西の原にて三瓶山について少し

 三瓶山を北麓からぐるりとまわり、東側へとやってきた。このあたりはまだ少し桜が残っているところもあった。ここには国立公園では初のワイナリーがあり、併設されている約4.7haの葡萄畑でブドウを栽培し、ワイナリーで醸造・販売を行っている。

石見ワイナリー醸造所・販売所

石見ワイナリー醸造所・販売所  媚びないワイン造りがモットー

その奥にあるのが三瓶観光リフト。東の原から約15分かけて、標高差255mの大平山山頂付近まで登ることができる。冬季休業を経て、4月2日から2025年の営業がスタートしている。

三瓶観光リフト

三瓶観光リフト 乗り口

早速乗ってみる。見た目の通り、2009年までは「さんべ温泉スキー場」のリフトだったのだ。さんべ温泉スキー場は、1961年に開業し、最盛期は3基のリフトを擁し、1980年代には1シーズンで10万人以上が利用していたという。

三瓶観光リフト

三瓶観光リフト 元はゲレンデだった。

競合施設の増加や積雪量の減少、趣味の多様化によるスキー需要の激減により、閉鎖される頃には7000人程度の利用になっていたという。全国に同じ状況のゲレンデはいくらでもあるのではないか。

三瓶観光リフト 眺め

三瓶観光リフト 終点近く。

2021年に保守点検管理者が退職し、休業を余儀なくされたが、観光リフトとしての需要が25000人と多く(コロナ過において密を避けられる施設として注目されたという)、同年中に再開され、現在に至る。

 

 

 

リフトは全長856mで、刻々と変わりゆくパノラマの風景は圧巻。山陰の山々のますらおぶりを贅沢に拝めることができて、飽きることがない。リフトから降り、5分ほど歩くと大平山の山頂・東の原展望テラスに着く。

東の原展望テラス

東の原展望テラス ベンチや東屋がある。

展望テラスは、ウッドデッキが整備され、のんびり座ったりしつつ雄大な眺めを堪能することができる。東の原農場の緑や、波のような山々の緑の濃淡が目に優しく、比喩抜きに視力が回復するような思いがした。

東の原展望テラス 眺め

東の原展望テラス 東の原農場を一望

眺めている方向は、奥出雲の方角で、その山深さと神秘性を感じることができる。この時間になって雲が立ち込めてきたが、向こうが出雲、雲の出る地だと思えば、それも一つの運命とも思えてくる。

東の原展望テラス 眺め

東の原展望テラス

テラスの反対側は、女三瓶山、子三瓶山、孫三瓶山を一望できる。一瞬、女三瓶山に登ってみようと思ったが、さすがに登山を思いつきでするわけにはいかない。その美貌を羨望するにとどめた。

三瓶 大平山山頂

三瓶 大平山山頂

それにしても、ボッコンボッコン噴火して、お山ができたんだなぁと感心した。三瓶山の活動期は10万年前からはじまったとされ、若い火山である。約4000年前の最後の噴火まで、7回の活動期があり、特に1~4期の活動は激しく、火山灰の影響は約50km離れた松江で50~100cmもの降灰の地層があり、遠くは東北地方まで及んだという。

東の原展望テラス 大平山

大平山山頂からの眺望

1回目、2回目の活動はカルデラを形成する規模の大噴火で、その後も爆発的噴火を繰り返し、16000年前の噴火で現在の山体が形作られた。ここへ来る前段で訪れた「さんべ縄文の森ミュージアム(三瓶小豆埋没林公園)」(過去記事へ飛ぶ)では、4000年前の噴火で埋没した杉の森を観てきたが、この地域そのものが三瓶山の噴火によってできあがっていることがわかる。

三瓶観光リフト 下り 眺め

三瓶観光リフト

ここに住んだ人々が、山体そのものをご神体として信仰し、さらには「国引き神話」で新羅を引っ張ったという豪快な伝承が残るのもうなずけるような気がした。

 

 

 

そんな風に歴史は連続し、今私たちはスキー場になった更にその先の、観光リフトに乗ってこの景色を眺めている。おかしな国見と言えるのではないか。

三瓶観光リフト 駐車場

三瓶観光リフト

桜の残る山麓に降りてきた。先達て、三瓶さくらまつりは終わっているが、この地域の寒さの残る桜の美しさを、名残だけでも観ることができてラッキーだった。去年、今年と桜の咲く時期が少し後ろに戻った感じがしているが、来年はどうだろうか。

三瓶観光リフト 桜

三瓶観光リフト 桜

再び車に乗り、三瓶山を後にする。途中、西の原に立ち寄った。ここからは、主峰である男三瓶山(1126m・左)と、子三瓶山(961m・右)を眼前に眺めることができる。

三瓶山は、6つの山からなり、上の他に反時計回りで孫三瓶山(903m)、日影山(718m)、大平山(854m)、女三瓶山(957m)が、真ん中の最後に噴火したと言われる室の内を取り囲んでそびえている。

西の原 男三瓶山(左) 子三瓶山(右)

男三瓶山(1126m・左)と、子三瓶山(961m・右)

三瓶山麓には3つの原があり、サヒメルがあった北の原、この稿でリフトに乗った東の原、そして西の原で、それぞれめぐってきたが、これらの原は、それぞれ違った条件下で生まれた原である。

三瓶山 西の原 山の駅さんべ 桜

三瓶山 西の原 山の駅さんべの桜

ごく大づかみかつ大雑把に説明すると、初期にできたカルデラを、その後の噴火の火砕流や土石流が埋めることによって、平坦でなだらかな地形が形成されたもの、ということになる(と思う)。

三瓶山を周遊し、旅は最終盤へと進んでいく。

To be continued... 👇

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旅のメモ📝
🏔 🌋三瓶観光リフト ~メモ~ 🌌🐸
私の所要時間 57分
住所 島根県大田市大田市三瓶町志学1640-2
見学時間 8:30~16:30 (往復利用の場合は16:15が最終受付)
定休日 火曜日、冬季休業(12月~3月)
入館料 大人 往復900円、片道500円。小人 往復700円、片道400円
わんちゃん無料。
駐車場 あり。無料。
アクセス 大田市駅よりバス約50分(東の原下車徒歩3分)
※1日3便(平日は2便のみなので注意)。車を強く推奨。
ホームページ  三瓶観光リフト | 島根県大田市観光サイト
👑三瓶山の称号 🔱
日本遺産  #101 石見の火山が伝える悠久の歴史
国指定天然記念物 三瓶山自然林(北麓から室の内)
大山隠岐国立公園 三瓶山
日本二百名山 三瓶山
👛かかったお金 💵
三瓶観光リフト 往復 900円
小計 55,511円