松坂城は言わずもがな、城下(正確には三の丸に位置するようだ)に目をやると、「御城番屋敷」といって、見事な江戸後期の長屋風景が広がっている。
文久三(1863)年に建築されたこの長屋は、40石取りの紀州藩士20人の組屋敷として建築された。東棟と西棟の両主屋は周囲に槇垣を巡らしていることが風情に拍車をかけている。
いちば~ん奥まで行くと、松坂神社の東参道がある。1000年以上の歴史ある神社で、蒲生氏郷が宵の森と呼ばれていた丘に松坂城を築城した際、城の鎮守として社殿が造営された。
御城番屋敷の西棟の一番手前、お城側が無料で公開されている。その他の戸には当時の紀州藩40石取りの侍・松坂御城番の子孫が今も暮らし、生活をしている。公開されている一戸は往時の状態に復元整備されているので中に入ってみた。
屋敷内は往時をしのばせる家具や生活用品も置かれている。どこか懐かしい感じもするが、昭和後期生まれの私でもほとんど馴染みのないものばかりだ。
木製ということだけで、暖かい印象があり、プラスチック社会の崩壊が懸念される今、もしかしたら木製の時代が再来することがあるかもしれない。
間取りは、建築当時の様子が忠実に再現されている。畳敷きの部屋があり、中庭がある。この構図どこかで、、と思って頭をひねってみたところ、どうも「となりのトトロ」で和洋折衷だったサツキとメイの家の「和」の方の廊下に似てるように思ったんだけど日本家屋の定型なのだろうか(か、単に勘違いか)。
日本家屋は平成後期、令和初期生まれの子供たち(7歳、3歳)には完全に異空間のようで、はしゃいであちこち探りまわっていた。チビたちの落ち着きなさに辟易したが、係の方が優しい目で見守ってくれていたので少し安心した(私は内心、頼むから壊さないでくれと祈るばかり・・)。
石畳と槇垣の小径を、松坂城へ向かい歩くと、いかにも江戸時代にタイムスリップしたような気分になれる。槇垣は、水を豊富に含むことができる植物なんだそうで、江戸時代につきものだった火事を防ぐ狙いがあったという。
御城番屋敷の二棟は、武家長屋としては現存する最大規模のもので、国の重要文化財に指定されている。現在も生きた文化財として保存されているが、維持するのもけっこう大変とのことだ。こういう景観は後世に残してほしいが、やはり助けは必要なんだよな、と思いつつ、お城にしろ、ここにしろ、きっぷよく無料で公開してくれている寛大さに甘えるのであった。
つづく👇
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旅のメモ📝
🏘 御城番屋敷 ~メモ~ 🏯 | ||||||||||||
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私の所要時間 | 15分 | |||||||||||
住所 | 三重県松阪市殿町1385 | |||||||||||
見学時間 | 自由(周辺住民に配慮をお願いします。) (西棟北端の一戸)10:00~16:00 |
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定休日 | 月曜(祝日のときは翌日)、年末年始 | |||||||||||
入館料 | なし | |||||||||||
駐車場 | あり。無料。松坂城と同様、松阪市駐車場を利用しよう。 | |||||||||||
アクセス | 松阪駅から三交バス松阪中央病院行き「市民病院前」下車徒歩3分 松阪駅から徒歩約15分 |
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ホームページ | 御城番屋敷 - お肉のまち 松阪市公式ホームページ | |||||||||||
👑 御城番屋敷の称号 🔱 | ||||||||||||
国指定史跡 | 旧松坂御城番長屋2棟(東棟・西棟) | |||||||||||
日本100名城 | (48)松坂城 |