大人の男子旅・極(きわみ)などとむさくるしいタイトルなのに読んでくれて感謝に堪えません。どこの紹介でも「大人の女子旅」とか、「レトロな町並みをお散歩」とか、「古い町並みとスイーツの相性はサイコー」といった(素敵な)キャッチが並んでいたので、つい天邪鬼でゴリゴリにしてしまっ たので、文体もこのまま行こうと思うんだぜ。
石見銀山と言えば、2009年に来た時の様子を10年以上前にブログで書いたことあるから、暇だったら読んでくれよな。世界遺産に選定された経緯なんかも書いてあって、自分で書いておいてなるほどな、とか思っちゃったんだ。下に小さく貼っておくぜ。
しったかぶりの日本歴史旅 と、もろもろ・・・ 32 世界遺産・石見銀山 山吹城跡
しったかぶりの日本歴史旅 と、もろもろ・・・ 33 世界遺産・石見銀山
過去に訪れた時も大森の町は通ったはずだけど、よく覚えていない。あの頃とは趣味も変わったようで、今回は旅の最後に、重要伝統的建造物群保存地区の「大森」を歩くべく、時間が押しているが無理やり再訪したのだ。ぜ。
正確には、「大田市大森銀山伝統的建造物群保存地区」の「大森区域」を闊歩している。どうだ、漢字が多くて読みにくかろう。立ち並ぶ家々の中には、国の重要文化財に指定されている住宅もあり、内部を見学することもできる。
が、ほんとに時間が無く外から眺める一方であった。大森地区は、寛政12(1800年)の大火でほとんど焼失してしまったので、今残っている建物の多くはその後に築造されたことになる。
熊谷家の主屋は大火の翌年に建てられたもので、幕府巡検使の公用宿や町役人の用向き、商用、日常生活など様々に活用されていたと考えられている。街並みの中で最も大規模かつ質の良い民家建築で、往時の有力商家の暮らしぶりをうかがえる文化財としての価値が高く、国の重要文化財に指定されている。
ちょっと面白いのは、「理容遺産認定第一号」として全国理容連合会から認定された「理容館アラタ」の存在。こちらは、大正末期の理容文化を残す重要な理容遺産とされ、内部は往時の理容道具や什器など、ノスタルジックなアンティーク もとい!郷愁を感じさせる古風な調度品が目を引く。
町並みは、単なる廃墟ではなく、現在も生き生きと活用されている。古い(というと失礼に当たるかもしれないが)ものも大事にしながら、現代の需要に適合した店構えにリニューアル 刷新されている(どうだ!)。
思う。私たちは明治以降、急いで遠くに来すぎたのだ。外界の大きな勢力に負けまいと獅子奮迅で邁進し、時に棄て、時に焼かれ、そして忘れた。んだぜ。
しかし、明治維新から160年近い歳月が流れ、戦後も80年を迎えた。新しい時代が来ている。焼かれたものは戻らないが、忘れたものは思い出せる。
さらにSNS 情報化社会が極まったこの時代、この日本に残された、先人の努力で残った風景は、なんと海外の人たちから見ても、十分に評価に耐えうる景観である、ということがわかった。
誰かが「この世界はクソだ」というなら、私は声を大にして言おう。
「この世界は、思うほどクソじゃない」
旅の最終盤に、私はひとつの確信を得た。浮世の非情に落ち込んで一人旅をふけこみに来たが、結局たどりついた結論は、「それでも人しか愛せない」という、至極あたりまえのものだった。
「石見一人旅」の連載で幾度も触れてきたが、石見に来たいと思った情念のはじまりは、ふと脳裏に浮かんだ「赤瓦の町並みと温泉」であった。温泉は温泉津で堪能したし、赤瓦もいたる所で見てきたが、大森の町並みの赤茶けた風景の見事さは、単に「古き良き」ものというだけではなく、風雪を経てもなお、今を生きる人々により磨かれる、いぶし銀の赤褐色であると言える。
古いことが素晴らしい、なんて、無理に思う必要はないと思う。自然に、普通に、勝手に湧いてくる感情を大事にしよう。それこそが、本当の感性なのではないか。
ひとしきり町並みを歩いて、同じ道を戻る。行きは気になるお店を横目に見ながら進んだが、帰りに少し立ち寄ってみた。
「お菓子処 有馬光栄堂」で、「げたのは」を買った。
鹿児島の「げたんは」によく似た形状だが、「げたのは」の食感はパリッと歯ごたえがあり、黒蜜の甘さが引き立っている。「げたんは」は、しっとりとしていて甘みは染み入っているから、「兄弟だけど性格が違う」って感じだ(どっちも好き)。
実は初め、レンタサイクル 貸自転車を使おうと思ったし、実際に町ゆく人の中で自転車を漕いでいる人々もあった。効率も良いし、気持ちの良いものだと思ったけど、あえて急ぎ足を選んだ。
この町並みを、自分の足で闊歩してみたい。風切る自転車の爽快さに、コンクリート 混凝土(あ、無理。こんくりいと…)を踏み鳴らす、かくこそ在りしか剛毅の武士(おじさん)の雰囲気を味わいたい思いが勝ったからである。
To be continued... 👇
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旅のメモ📝
🏔 石見銀山 大森の町並み ~メモ~ 💰 | ||||||||||||
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私の所要時間 | 53分(甘味処含む) | |||||||||||
住所 | 島根県大田市大森町ハ47-1 (大森代官所前駐車場) | |||||||||||
営業時間 | 見学自由(周辺住民に配慮をして下さい) 9:00~17:00(有馬光栄堂) |
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定休日 | なし(店舗毎に設定あり) | |||||||||||
入館料 | なし(施設毎に設定あり) | |||||||||||
駐車場 | あり。込み合うため早い時間か遅めがおすすめ。 | |||||||||||
アクセス | 山陰自動車道・仁摩石見銀山ICから車で約8分・バスは下記参照。 石見銀山バスマップ: http://iwamigroup.jp/files/lib/1/204/202504221356252621.pdf |
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ホームページ | 【公式】はじめての世界遺産・石見銀山大森町 | |||||||||||
👑 石見銀山の称号 🔱 | ||||||||||||
世界文化遺産 | 石見銀山遺跡とその文化的景観 | |||||||||||
日本遺産 | #101 石見の火山が伝える悠久の歴史 | |||||||||||
国指定史跡 | 大森銀山遺跡 | |||||||||||
重要伝統的建造物群保存地区 | 大森銀山 | |||||||||||
👛かかったお金 💵 | ||||||||||||
有馬光栄堂 | げたのは12枚(550円×2) 1,100円 | |||||||||||
小計 | 56,621円 |