国道457号で遠刈田温泉へ着くと、白石ではまだまだ濃いめの曇天だったが、ずいぶんと晴れてきていた。これはもう、行くしかあるまい。迷わず車を蔵王エコーラインへ進めた。
遠刈田温泉まで来たら、もうすぐそこだと思っていたが、蔵王エコーラインは、まだまだ20kmちかくもある。そのうえ、御釜を目指すなら、有料(現金のみ)の蔵王ハイラインをさらに登っていく必要がある。
無知で恥ずかしいけど、6月のこの時期でも雪がふんだんに残っているのに驚いた。スキー板が置いてあったりしたから、だいぶ溶けて土色も混じっているけどまさか滑ったのか?
1980年代ごろまでは、下界が暑い時期でもある程度雪が残り、夏スキーができたらしい。温暖化やスキー需要が減ったため、今ではやっていないが、そんな時代もあったねと、中島みゆきのメロディーが流れるのであった。
蔵王エコーラインから、蔵王ハイラインへ入ると、あともう少しだ。大きな駐車場があり、宮城県が運営する県営蔵王レストハウスがあり、食事やお土産ショッピングを楽しめる。
車を降りた瞬間である。この日はそれなりに蒸し暑い1日だった。車の中も暑くなり、窓を開けたり、時に冷房が必要だった。下界では。
さぶっ!!!!!!
ばかか、俺。半袖って、ばかか。
おりからの強風は、山の上でも同じだった。その風が体感気温をさらに下げ、寒さは深刻だった。というか、ほとんどの人はちゃーんと長袖とか、なんなら防寒着で来ていた。そう、私がなめきっていたのだ。ごめんなさい。
駐車場からレストハウスを通り過ぎ、少し歩くと、御釜が火山らしいじゃりじゃりと苔のような緑の向こう側に見えてきた。もう少し下まで人が下っているのが見えるので、半月板を損傷した左膝が少し怖いけど駆け足で向かった(このあたり、旅行では多動な気がしてならない)。
駆け足なら体もあったまりそうだ。そんなことを思いつつ、下る。走るのは当然お勧めしない。足をひねったり挫いたりしそうな道である。私は、旅行中は常に時間や、見えない何かに追われている。
若い男女のグループが楽しそうに写真を撮っていた。そうだな。私にはついにそういうことは・・・あぁ、あったか。少しあったな。
かれらよりももっと先に、展望できそうな所が見える。ゆかねば。
御釜が無かったとしても、眺望の名所として名を馳せたのではないか。御釜方面からは仙台の沃野が眺められるし、ここからは見えないが、後ろの山の向こうには、山形県の上山の方向が見晴るかせるのだ。
この間、寒い。海まで見えるんじゃないかと思うくらいだけど、平野の先に山がみえているのはどういうことなんだろう。仙台平野が見えてるんじゃないのか?ひょっとして牡鹿半島なのかしら。
多分そうだ!と思いつつ歩く。高い木もないし、険しい山らしい風景が広がっているし、寒いし、山ってすごいな。やっぱり寒いな。
白石に寄り、七ヶ宿に寄り、雲が晴れるのを待った甲斐があった。ジャストタイムじゃないか。蔵王御釜ライブカメラの存在もありがたかった。何より、ラッキーだ。雲が頭上を通り過ぎると、御釜の色もうつりかわる。自然って神秘だ。
コバルトブルー?違う違う。これはエメラルドグリーンだ。なんだか間違えがちだけど、緑だからな。御釜は、太陽の当たり方で刻々と変わるので、五色沼湖とも呼ばれている。
蔵王の火山活動は、70~100万年前にスタートしたという。御釜は西暦1200年頃だそうだ。強酸性の水質で生物が棲めるはずもなく、わずかに珪藻が生育しているのみだという。寒さで耳が痛くなってきた。何かに追われるまでもなく、そろそろあったかい所にいかないと風邪ひきそうだ。
レストハウスの方面へ戻る途中、おばちゃんに「御釜はここから近いの?」と聞かれた。場所によって、御釜は、全く見えないのだ。「ここから降りると少し距離あるけど行けますよ」結局行ったか分からないが、最後に「寒くなぁい?」と聞かれたので、元気に正直に「寒いです!失敗しました」と答えた。
このままレストハウスへ直行したかったが、刈田岳山頂にある蔵王刈田嶺神社奥宮へは行っておきたかったので、折れそうな心を励まして登った(2、3分です)。
山頂近くには、伊達宗高公命願の碑がある。伊達政宗の7男で、江戸時代に蔵王山が噴火した時に自ら山へ登り、天に祈り噴火を鎮めたという。
刈田岳山頂からは、御釜の全体像が手に取るようにわかる。上の写真を参考に、右端に見切れているが、この先には約2000年前以降に崩壊したという跡がある。御釜の右にみえているのは、旧火口だ。真ん中はもちろん御釜として、御釜の左側を大きく取り巻いている壁は、カルデラであり、馬の背カルデラ壁と呼ばれている。
刈田嶺神社奥宮に参拝する。今は神仏分離の影響で神社になっているが、かつては奈良の吉野地方で発祥した修験道の主尊・蔵王権現を祀り、蔵王権現社奥宮という名だった。
雲は、晴れたり、頭上を通ったりするから、自然というものを存分に感じることができた。風がものすごく強く、かぶっていた帽子は飛ばされるので手首に引っかけて歩いた。
ようやくレストハウスにもどると、しばらく耳が痛く、露出していた腕から先はプルプルしていた。とにかく温かいもの!たださっきラーメン食べたから小腹満たしが良いなと思い、牛たんカレーパンを注文した。
牛たん専門店のこだわりが詰まったカレーパンで、注文した時にショーケースになかったのですぐに揚げてくれた。レストハウス内は暖房が付けられていて、外気温は15℃と表示されていた。それ+山の強風で、寒いわけだった。
牛たんカレーパンは、揚げたてアツアツだったので、猫舌の私はその場で食べられず、車に戻ってしばらく運転して、見晴らしの良い所で車を停めて頂いた。牛たんが思ったより入っていて、美味しかった。
初日の目玉・蔵王御釜は大満足だった。遠刈田温泉に浸かる時間が無くなってしまったけど、ギリギリまで迷って行って大正解!素晴らしい景色を堪能できました♪
つづく👇
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旅のメモ📝
🌋 蔵王御釜・蔵王レストハウス ~メモ~ 🏔 | ||||||||||||
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私の所要時間 | 51分 | |||||||||||
住所 | 宮城県刈田郡蔵王町遠刈田温泉倉石岳国有林地内 | |||||||||||
見学時間 | 蔵王ハイライン 7:30 ~ 17:00 「 4月下旬の蔵王エコーライン開通後 ~ 5月 GW 明けまで」と、 「10月中旬 ~ 11月初旬の蔵王エコーライン冬期閉鎖日まで」に、 夜間閉鎖( 16:00 ~ 翌朝 8:00 の間)を実施。 蔵王山頂レストラン 御釜茶屋 9:00~15:30 |
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定休日 | 蔵王山頂レストラン 御釜茶屋 期間中無休(冬季[4月下旬~11月3日頃]はクローズ) |
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入場料 (蔵王ハイライン) |
一般自動車 600円 二輪車(125CC以上)450円 ※125CC以下通行不可/自転車通行不可 マイクロバス・路線バス 1,500円 大型バス等、大型貨物自動車 2,400円 |
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駐車場 | 大型車 20台、普通車 300台ほど (第1 駐車場 135台,第2 駐車場 107台, 第3 駐車場 30台,第4 駐車場 15台)。 行楽シーズンは途轍もない渋滞になるらしい。 |
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アクセス | 山交バス 山形駅前→蔵王刈田山頂(お釜) 宮城交通 白石駅前→宮城蔵王ロイヤルホテル前 宮城蔵王ロイヤルホテル前→蔵王刈田山頂 |
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ホームページ | 蔵王山頂 レストハウス・御釜 展望台|観光スポット|蔵王町観光物産協会 | |||||||||||
リアルタイム情報 (蔵王御釜ライブカメラ) | ||||||||||||
今日のお釜 | みやぎ蔵王えぼしリゾート | ||||||||||||
👑蔵王山の称号 🔱 | ||||||||||||
日本百名山 | 蔵王山 | |||||||||||
👛かかったお金 💵 | ||||||||||||
蔵王ハイライン | 600円 | |||||||||||
刈田嶺神社奥宮 | (賽銭) 10円 | |||||||||||
利休 牛たんカレーパン | 600円 | |||||||||||
小計 | 29,860円 |