しったかぶり!日本紀行

グループ「灯台・燈台・岬」を作成してみました!!

35 「延喜式内明神大社 志波彦神社」に参拝!「陸奥国一宮 鹽竈神社」東参道を歩く

 陸奥国一宮・鹽竈神社に参拝し、西向きに主祭神・塩土老翁神を祀る別宮の謎に(勝手に)肉薄した。その模様は前章を読まれたし。

sittaka-travel.com

鹽竈神社の社域には、もう一つ、大きなお社が鎮座している。

志波彦神社という。

もともと、宮城郡岩切村(仙台市岩切)の冠川の畔に鎮座していた。

塩釜市 志波彦神社 境内は広々としている。

広々とした境内

しかし境内は狭く満足な祭典をできないことから、明治天皇の思召しによって明治7(1874)年に鹽竈神社の別宮に遷祀された。さらに昭和13(1938)年、国費によってここに遷座された。社格は、みそっかすみたいな扱いの鹽竈神社とは違い、延喜式内明神大社で、朝廷からの信仰も格別に篤かった。

塩釜市 志波彦神社 茅の輪くぐり

神門の前に茅の輪くぐり

祭神の志波彦大神は謎多き神で、日本書紀・古事記にもその名が出てこず、伝承神話の類が伝わっていない。一説に、「志波」は「シワ」に通じ、物の「端」のことを指しているという。

塩釜市 志波彦神社 拝殿

志波彦神社拝殿

つまり、大和朝廷が日本列島を平定していく過程での、その時点の北限を「シワ」であるとし(東北には岩手県紫波郡紫波町など、シワの地名が点在している)、陸奥平定の重要基地であったこの地(多賀城を中心とした)に祀られたのではないか。ということである。後付けのこじつけかもしれないが、当社のご利益の第一に国土開発があることは、その傍証になるのではなかろうか。

塩釜市 昭和天皇御製碑から塩釜港を眺める

昭和天皇御製碑からの眺め

他にも農耕や殖産への信仰も伝わっており、HPでは「農耕を生業としていた人々の守護神だったのでしょう。」と考察されている。

昭和天皇御製碑の傍らから塩釜港を遠望し、出港してゆく船を眺めている。明治天皇は、ひょっとしたら陸奥・北海道のさらに北に控えるロシアを意識していたのではないか、と思ったりもした。

志波彦神社 昭和天皇御製碑から塩釜港を行く船を眺める

昭和天皇御製碑から塩釜港

境内をうろうろしていると、稲井石の大きな石板が置かれていた。石巻市雄勝地区で産出する黒色粘板岩である稲井石は、この境内の東参道、裏参道に古くから使用されている。昭和57(1982)年に奉納されたこの石は、川の橋板に使われていたが、長さ7m、幅1.5m、厚さ20㎝の巨石は珍しいとして、ここに置き後世に残すことにしたという。

鹽竈神社 志波彦神社 稲井石

稲井石

参拝を終え、帰り道であるが、鹽竈神社の東側の鳥居をくぐり、東参道を降ることにした。この石は、稲井石だろうか。

陸奥国一宮 鹽竈神社 東参道へ

東参道へ

東参道石鳥居を過ぎたところでふり返り、東神門の方面を眺める。私には鳥居ごとに拝礼をする敬虔さは無いが、この多くの謎と歴史を抱え持つ神社には、大げさではなく日本史の謎に迫るような秘密が隠され、忘れ去られてなお、人々を惹きつけてやまない魅力があるのだと、しみじみ感じるのであった。

陸奥国一宮 鹽竈神社 東参道石鳥居

東参道の石鳥居

参道を東へ進むと「七曲坂」があり、古式を思わせる雰囲気がある。それも当然のことで、この参道は表参道や東参道が整備されるずっと以前のもので、多賀城を国府とした奈良時代からのものと推測されている。ここを降りると、県道3号、表参道の少し東に出る。

陸奥国一宮 鹽竈神社 七曲坂

七曲坂

東参道は緩やかな降りとなっている。またふり返り、石鳥居を遠望する。別名を裏坂といい、参道沿いには鹽竈神社博物館があるが、朝の散歩であるこの時間帯はもちろん開館前である。

陸奥国一宮 鹽竈神社 稲井石の東参道 ゆるやかな石段

東参道のゆるやかな石段

参道入口近くには、かつて鹽竈神社の別当寺であり壮大な伽藍を擁していた「法蓮寺」があったが、明治の廃仏毀釈により廃寺になり、今は東端にあり伊達藩主が参拝の際に身を清め衣服を整えた「勝画楼」だけが遺されているが、それも今は敷地内の安全確保ができないとして、見学は叶わなかった。

陸奥国一宮 鹽竈神社 法蓮寺跡と見学不可の勝画楼

法蓮寺跡と見学不可の勝画楼

ん?あれ?ど、

ドラえもん????

陸奥国一宮 鹽竈神社 法蓮寺跡のドラえもん

ドラえもん、なぜこんなところに!

旅でよく逢うおじさん・松尾芭蕉は、元禄2年5月8日(1689年6月24日)に塩竈に到着し、この付近に宿をとった(同行した曽良の日記に「宿治兵衛、法蓮寺門前」とある)したという。

陸奥国一宮 鹽竈神社 東参道 松尾芭蕉止宿の地

東参道の入口

鹽竈神社は、全体的に燈籠の種類が多く立派だったように思う。そういう目で観ながら参拝をしなかったが、あとから写真を観ると歴史のあるものもあるし、意匠が立派だったり、色合いがカッコよいものが多かったとおもう。

陸奥国一宮 鹽竈神社 東参道一の鳥居

東参道一の鳥居

シオツチオジは道案内の神でもあった。燈籠は、道の暗さを慰める安寧の灯であるから、そういう想いがこの燈籠に投影されているのだろうか。

そんなことを思いながら、東参道の石の道を、少し膝をいたわりながら降り切ったのであった。

 

つづく👇

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旅のメモ📝
⛩ 志波彦神社 ⛩
住所 宮城県塩竈市一森山1-1
参拝時間 4~7・9~10月   5:00~17:00
8月        5:00~16:30
11月         5:30~16:30
12・2月      6:00~16:00
1月        6:00~17:00
3月        5:30~17:00
境内の参拝は自由。
駐車場 境内の東側から北側にかけて参拝者専用の無料駐車場が
4か所(第1・第2・第3・バス)あり。300台
お祓いの車は坂上の社務所近辺まで参入可
アクセス 🚃:JR仙石線 本塩釜駅より表参道まで徒歩約15分
  東参道まで徒歩約7分
  社務所前まで徒歩約15分、タクシーで5分
🚙:三陸自動車道 利府中ICより車で約10分
  利府塩釜ICより車で約10分
  仙台港北ICより車で約15分
ホームページ 志波彦神社・鹽竈神社 公式サイト
👛かかったお金 💵
賽銭 5円
小計 44,263円