しったかぶり!日本紀行

少しずつ読みやすくしてまーす^_^

続日本100名城・唐沢山城の見事な高石垣と遺構を巡る!

 唐沢山は、1000年の歴史のある山城である。関東7名城の一つに数えられ、中世山城の典型的な特徴をよく備えている。

続日本100名城・唐沢山城の全景

唐沢山城遠景

遠くから見ると、あれを登るのか、と少しおっくうになるが、車なら主郭に近いところまで一気なので、現代において整備された山城の手軽さは、ちょっと拍子抜けするほどに軽いものとなっている。

唐沢山城 山頂へ近い駐車場まで行ける。

唐沢山城 駐車場から虎口へ

駐車場から、すぐに見所がある。大手口にあたる、くい違い虎口だ。石積みで築かれた虎口は、お手本のように食い違っている。

唐沢山城 駐車場からすぐ。大手口のくい違い虎口

主郭部への大手口である、くい違い虎口

その先へ進んでいくと、唐澤山神社の参道も兼ねているので、鳥居が見えている。城としての歴史は、江戸初期の山城禁止令により廃城となったことで終わっている。明治になり唐澤山神社が創建され、全山が境内地となり現在に至る。

唐沢山城は、唐沢山神社の参道でもある。

唐沢山城 大手口へ進む

少し歩くと、籠城の時に厳島大明神に祈祷をして掘ったら水が湧き出たと伝わる、「大炊の井」がある。この山の上の方にこれだけ水が湧いているのは、城として強みだろう。深さ9m、直径8mあり、今日に至っても水が枯れたことはないという。

唐沢山城 大炊の井。水がこんこんと湧き出た井戸は、今日も枯れたことがない。

大炊の井。静かな雰囲気だ。

大炊の井からすぐ、神橋は、かつては曳橋で、いざというときには破壊して城の東西を分断し敵の侵入を防いだ。

唐沢山城 神橋を渡ると、城郭の主要部である。

神橋を渡ると、帯曲輪や三の丸へ続く

神橋が架かる部分は大きな堀切であり、四つ目堀と呼ばれる大きな空堀であった。この城がどのくらい堅牢だったかというと、例えばかの軍神・上杉謙信の攻撃を10回跳ね返している。

唐沢山城 神橋が架かる四つ目堀

神橋が渡る部分は、四つ目堀である。

神橋を渡ると、三の丸方面であるが、その手前に規模のある帯曲輪が奥まで続いている。ここも帯曲輪なのだろうが、この一段下、四つ目堀直上の和合稲荷の先も、狭めの帯曲輪のように思えた。二段構えの帯曲輪だったのだろうか。

唐沢山城 三の丸下の帯曲輪

三の丸下の帯曲輪。道の階段上が三の丸。

この先は少し神社の参道じみた道が続く。唐澤山神社には、平安時代にここに築城した藤原秀郷が祀られている。平将門の乱を鎮圧するなど、武勇に優れた人だった。

唐沢山神社の参道、幟が多く続く

唐沢山神社 参道

さくらの馬場と呼ばれる部分は、馬を乗り回せるのか?と思えるほどには狭い。それよりも竪堀みたいな構造が気になった。三つ目堀というらしい。

唐沢山城 参道の途中に竪堀の遺構が見られる。

唐沢山城 竪堀

ねこー!おこらないで😢ちなみに、駐車場にあるレストハウスに猫のえさが売っているそうだ。猫の多さは有名で、「猫神社」「猫城」と呼ばれたりもするみたい。

唐沢山城 ノラ猫が多い。

唐沢山城 猫

参道をゆるやかな坂道で登る道が少し続く。木と木の間から石垣が垣間見えると、自然と歩調が速くなっていく。期待が膨らんでいく。

唐沢山城 樹間から望む石積み

唐沢山城 石垣が樹間から覗ける

社務所がある場所が、南城跡である。ここにはかつて蔵屋敷や武者詰めがあった。周囲を石垣で巡らしている。

唐沢山城 南城跡

南城跡は眺望が最高だ

参拝客の中には、ネコ目当ての人もいるようで、しきりに猫と写真を撮っていた。私も気になるが、まずはこの眺望である。

 

 

 

当日はよく晴れてはいたが、少し水蒸気が多く関東平野の向こうにそびえる新宿副都心のビル群やスカイツリーは観ることができなかった。

唐沢山城 南城跡からの眺望。かすんでいなければスカイツリー、新宿副都心などが一望できる。

南城からの眺望。少しかすんでいた。

さて、唐澤山神社の参道も手水舎から本殿(同じく、本丸)へ。境内部分は曲輪としてどういうものかよくわからなかった。

唐沢山神社本殿への階段は、唐沢山城本丸へ繋がっている。

唐沢山城 引局、本丸へ

石段を上がり、本殿を目指す。城めぐりとしては、そのまま本丸を目指すことになる。

唐沢山城 引局。この先が本丸である。

唐沢山城 引局

本殿は、かつては奥御殿が建っていたという、もちろん今はそれをしのぶことはできないが。

唐沢山神社本殿は、唐沢山城本丸である。

唐沢山神社 本殿

ネットでよく見る高石垣の所はどこだろう。すんなり上まで来てしまったので少し拍子を抜かれたが、社務所でいまさら手に入れたマップを頼りに、本殿の背後へまわり石段を下りてみると、あらすてき。

唐沢山城二の丸から本丸石垣を眺める。

二の丸から本丸の石垣を眺める。すてき。

本丸西虎口の石垣は修理中でビニールシートがかぶさっていたが、豪気な石積みと、その高さは存分に堪能することができた。これらの石垣は、豊臣秀吉と懇意にしていた城主の佐野氏が西国の技術を導入し、戦国末期に築かれたものだという。

唐沢山城は屈指の猫城である!!

唐沢山城のねーこ

「お前、性懲りもなく来たか」

ネコがそんな感じで寄ってきた。人なれしているようで、近づいても怖がらない。

唐沢山城 本丸の高石垣を望む。

そびえる本丸高石垣

さあ撮れ。そんな感じで彼(彼女?)はお座りをした。さぁ撮る。そんな感じで私は低く構えて撮った。いいよ、あ、もうちょっと。あ動かない?こちらが動けばいいのね。そんな茶番をやって撮ったのが下の写真だ!!

唐沢山城のネコと本丸高石垣

唐沢山城のネコ

ネコは満足したのか何もくれない私に失望したのか、気が付くと去っていた。ともかく、この高石垣である。素晴らしい、こっち、あっち、いや、もう少し引いた方が良いか?気が付くと何枚も同じような写真が増産されていて、結局どれを使っても似た感じである。

唐沢山城 本丸高石垣 広範囲に遺っている。

本丸高石垣を見続ける。

石垣の延長は40mに及び、その高さは8mもあるという。

追手馬出とも呼ばれた二の丸。確かに、案内図で見た縄張りの感じは馬出っぽくはある。視認はできないが。

唐沢山城 追手馬出とも呼ばれた二の丸。

二の丸は広い

二段になっている本丸の石垣を、もう一回丹念に確認。大きな石は鏡石と言って、観る者を圧倒し力を誇示するのだ。

唐沢山城 本丸石垣。鏡石を配置している。

本丸石垣の鏡石

唐沢山城は、細かい案内板があるわけではなく、割とピンポイントだ。案内がこまめにあるのもいいけど、ここのように少なくてもいい。想像をすることも楽しいのだ(マニア向けと言えるかもしれない)。

唐沢山城 二の丸への虎口。城跡の北側へ

二の丸への虎口

見事な本丸の遺構の余韻を残しつつ、北側の曲輪へと進む。


 

 

太陽に照らされた二の丸あたりからの石垣も好きだが、東側、北側のように埋もれるように苔むした石垣も好きだな。

唐沢山城 本丸石垣は北川も囲んでいる。

本丸の石垣はぐるりと囲んでいる。

長門丸は、薬草を作っていたことからお花畑と呼ばれたという。搦め手にあたり、東側の守りを固めた。北側の局曲輪のあいだに虎口があり、わかりにくいが食い違い虎口になっている。

唐沢山城 長門丸。薬草を作っていたことからお花畑と呼ばれた。

長門丸は、お花畑と言われた。

車井戸は、お花畑近辺と南城を結ぶ通路になっている。深さが25mもあり、城内の重要な水源だった。特に山城は、敵に包囲されると水、食料補給が絶たれやすい。先程の大炊の井もだが、水源は多いほど良いだろう。

唐沢山城 車井戸。深さ25m余りと言われる。

ガンガン井戸の別名がある。

それにしても、ガンガン井戸とはどういう意味だろう。島根の松江城にもギリギリ井戸というのがあったが、井戸名はおもしろ縛りなのだろうか(確か意味があったような・・)。

唐沢山城 金の丸ロッジ。遺構を産めて建てられている。

金の丸はロッジが建てられ、児童教育の場となっている。

このあたりから、主郭の後ろ側を歩くように進んだら、神橋の方まで戻ってきた。四つ目堀の奥に、先ほどの神橋が見えている。

唐沢山城 主郭裏から四つ目堀。奥には神橋

四つ目堀へ戻ってきた

駐車場や大炊の井の裏手に当たる場所にあるのが避来矢山霊廟。唐沢山神社の創建以来、功績のあった方々をお祀りしていると書いてあった。

唐沢山城 主郭部とは独立した曲輪にある避来矢山霊廟

避来矢山霊廟

あれ~、どこかに良い景色があったと思うんだけど・・・

 

 

 

そろそろ帰りの時間が気になってきてはいるけど、町全体を見渡せる場所があった気がするんだよなぁ。ここは少し微妙か・・

唐沢山城 避来矢山霊廟からの眺めは決して良くない。

木と木の間から覗く

しょうがなく元来た道を戻ると、大手の食い違い虎口のすぐ近くに、天狗岩の表示があった。ああ、そういえばあったな。登ってみよう。

唐沢山城 天狗岩登り口。そんなに遠くない。

天狗岩、忘れる所だった・・

家なんかではいくらでも調べるんだけど、現地に来るとめんどうなのでそんなに調べないから、危うく飛ばすところだった。

唐沢山城 大手虎口に近い場所に登り口がある天狗岩

大手虎口に近い所にあった天狗岩

天狗岩の登り口を上がってみると、大きな岩場となった。この城はこういう側面もあるんだと、最後に来て新鮮な思いがした。

唐沢山城 天狗岩からの眺望。関東平野も観れる。

天狗岩からの眺め。関東平野の方面

南城もよかったけど、ここからの眺めもすばらしい。なんとか到達できてよかった。

唐沢山城 天狗岩から佐野市田沼の町を眺望する。

天狗岩から 田沼の町を眺める。

駐車場からの道路を下る。景色が良い。あっという間に下ってしまう。少し離れたところで、車を一旦停止して唐沢山を眺めた。たまたま、電車が通った。電車と田んぼと城。いいもんですな。

東部佐野線と唐沢山神社。水田が美しい。

東部佐野線と唐沢山

関東の名城は、割と近い感覚があるからかえって行きにくさがある。泊りで来るわけにもいかないし、子供もいるから一人で来ようとすると、幼稚園へ送ってから出発ということになる。今回もそうで、9時出発、首都高の渋滞にはまり、3時間以上かけてやっとたどり着いた。

 

でも、それだけの価値はあったな。最近ご無沙汰だったけど、城めぐりの面白さを思い出してしまった。癖になりそうです。

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旅のメモ📝
🏯 唐沢山城 ~メモ~ 🏯
私の所要時間 1時間15分
住所 栃木県佐野市富士町1409(唐澤山神社)
見学時間 いつでも
定休日 なし
入場料 なし
駐車場 あり。無料。
アクセス 東部佐野線田沼駅から徒歩約45分(車を推奨)
ホームページ 唐沢山城跡・唐沢山 - 佐野市観光協会
👑琴ヶ浜の称号 🔱
国指定史跡 唐沢山城跡
続日本100名城 (114)唐沢山城